■没エピソード・コモン英霊の逆襲
S「ところで我が友アンデルセン。我々の星に数について何か思うところがおありではないですか な?」
A「いや別に」(読書しながらの、適当な相づち)
S「やはりそうでしたか! いや、吾輩も常々思っていたのです! 英霊にランクを付けるなど!
吾輩たち星2ほ世間ではなんと呼んでいるか知っていますか! アンコモンですぞ、アンコモ ン!
この時点で既におかしい! 英霊の強さは知名度で決まるものと聞きました!
であれば、一般的(コモン)と呼ばれる吾輩たちの方がSSRより強くなくてはおかしいので は!?」
A「そやな」(読書しながらの、適当な相づち)
S「むぅぅぅぅぅ、あり得ない、あり得ませんとも!
“剣よ、鞘に入り、じっと次なる時を待て。
たちまち地獄のどす黒さに染まるがいい!”
吾輩はここに宣言する! 我らコモン英霊の怒りと嘆きを、驕りたかぶったSSRどもに見せつけてやるの だと!」
A「で、具体的には?」(読書しながらの、適当な相づち)
S「まだ何もひらめきませんな! とりあえずコモン英霊で集まってみるのはどうでしょう!」
仮面「話は聞かせてもらった! 僕もぜひ一枚噛ませてもらおうか!」
S「あなたはアマデウス仮面!」
A「(げんなり)」
仮面「そして何を悩んでいるんだキミたち!
ここには作家、脚本家、そして音楽家が集まっているんだぜ?
これだけいれば何か凄いコトができるに決まってるじゃないか!」
黒「その通りですぞー! せっかく12月31日だし、同人ゲームサークルの立ち上げですぞー! 」
A「(超げんなり)」
S「風雲急を告げますな! 突如パンイチで現れた髭の紳士―――
何処のどなたかは存じませんが、貴殿はまさにそう、黒髭の紳士そのもの! その名は黒髭氏 !」
黒「まんまですぞ、それまんまですぞ」
黒「まあいいや。実は拙者、こう見えてもネットの海を渡るプランナーでして。
拙者をモデルにしたゲーム、いや、
むしろ拙者が主人公のギャルゲーを作る企画を四百年近く温めていたのですよ、ドゥフフww w
あ、ヒロインはマシュ殿かエウリュアレ氏で。BBAはノーセンキューなので」
S・仮「そ・れ・だ! ジャンル・ADVなら戦闘力は関係ない! 我々でも勝機がある!」
A「なるほど世も末だ。
だが美術はどうする? この中で絵心のあるヤツはいるのか?」
S「それなりに覚えはありますが……デジタルはちょっと……」
仮「僕はマリア以外描きたくないし……」
黒「拙者も無理……だってオラ、見る専だから…」
L「ははははは! そういうコトなら私にまーかせて!」
三人「げぇ、アナタは―――万能超人ダ・ヴィンチちゃん!」
L「ハァイ、話は聞かせてもらったYO!
私もその手の企画には興味があったんだ、ぜひ主導権を握らせてくれたまえ!
まずは手始めに体験版をパイケットで販売、プレミア感をあおってから
巨乳好きのニコラ社長をあおって出資させ、アニメ化タイアップ。
キミたちへのサラリーは世界規模でヒットした後のみ、
基本労働一時間につきイクラ一つというのはどうかな?」
三人「うぉおおおおおお! ビッグフィクサーきたーーーー!
こいつは大ヒット間違いなしですなーーーー!」
A「(……その天才は間違いなくSR以上だが、それでいいのかおまえたち……)」
四章をやっている時、こんな導入から始まるギャルゲー風味イベントを思いついたものの、他にやることが山 ほどあるので考えるのをやめた。
彼らが作ったゲームは酷評を受けてワゴンに並ぶものの、黒髭がこっそりいれた隠しヒロインルート(希望峰 の女)だけは凄まじい完成度であり、神ゲーとして語り継がれるのであった。これにはニコラ社長 もニッコリ。 |